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くしろCKDネットワーク

趣意書

釧路市医師会会員 各位

 新緑の候、会員の皆様に於かれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 さて、釧路市医師会では慢性腎臓病(以下CKD)治療ネットワークの設立に向け、鋭意取り組んでいるところでございます。歯科医師会、薬剤師会、看護協会、栄養士会、保健師の皆様と意見を交換しながらより良い体制で発足させたいと思っています。
 その中で皆様にあらかじめお知らせし、協力をお願いしたいことがあります。
 現在、釧路地域におけるCKD治療の標準化を目的とした治療指針の作成を進めておりますが、これは、かかりつけ医と専門医が連携を密にし、一貫した患者指導体制を構築してゆくための軸となる大切な指針と考えております。
 専門医への紹介基準はeGFR30未満と考えておりますが、ネットワーク発足までの間に指針について勉強会を開催し、普段CKD患者さんを診療している医師の皆さんが病状の進行に合わせて専門医に気軽に相談し、患者さんを紹介できるような体制ができるよう願っています。多数の先生のご参加の程お願い申し上げます。
 もう一つはCKDシールの発行、貼付にあたってのお願いです。eGFRが45未満に低下した時点で患者さんのお薬手帳に貼付することにしたいと考えております。
 シール貼付の目的は、CKD患者及び家族にCKDを認知してもらい、治療に対しての理解を深め、さらなる腎機能低下を抑えること、医療従事者間におけるCKD患者さんの情報を共有すること、CKDの病状の経過に沿った適切な薬剤投与ができること、そして多くの市民への啓蒙と考えております。担当医師、病院薬剤師、薬局薬剤師、保健師が正確なデータに基づき貼付することになりますが、いずれの場合も患者さんの十分な理解を得たうえで行うことが肝要と考えております。多くの患者さんが複数の医療機関を受診し、数多くの薬剤を服用している現状では医薬連携が非常に重要であり、特に腎排泄型薬剤や腎機能障害を引き起こす可能性のある薬剤については、薬剤師さんからの疑義照会、ご相談等もあるかと存じます。CKD重症化防止のため、適切な対応をお願いいたします。日本人の約13%が罹患していると推定されるCKDは心血管系疾患の危険因子でもあり、また糖尿病、高血圧などの生活習慣病が背景にあることも多くその早期診断、治療、重症化の防止については釧路地域における行政をも含めた包括的な医療関連職の連携及び地域住民に向けた情報の発信が重要と考えております。
 会員の皆様のご理解とご協力を切にお願い申し上げます。

平成 30 年 6 月 1 日   
一般社団法人 釧路市医師会
  会長 久 島 貞 一 


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